先日、タロットでリーディングした時に、受けてくだった方からでた言葉が、「占いって厳しいですね」だった。
私は心の中で、大きくうなずいていた。
占いの世界に触れるようになってから、私も何度も、心の中で、声にも出して「占いって厳しい」と。
時期が示す運気とか、カードの並びが突っ込み入れてきていると思ったし、そこにその都度つまずいて、考えざるを得ない感じで進んで来たと、振り返ることが出来る。
質問をしているご本人が、実は答えは分かっている。
でもそこに対して心や、現状維持を求める思考とかが、本当の答えを見ないようにさせていて、知らんふりしてみせたりする。
何かを辞めたり、何かを手放したり、本当はそこから出て行きたいのに、そこから抜け出すことを拒んでいる。
そんな時、占いに出来ることなんて大してない。
「厳しいですね」と言われても、そこにあらわれたカードをリーディングすることしか出来ない。
私なんてそもそも、自分は何も変えたくない、現状維持で行きたい。
だけどこの苦しさから抜け出すいい手はないだろうか?という発想で、占いなら、何かいいアイデアを示してくれるかもと思ったのが、アラフィフになって初めて占いを受けた理由だった。
でもマジックみたいなもんは、ない。
少なくとも、私の世界観の中では無いので、
「それが出来ないから苦しいって言ってんですよ。そこを手放せるなら、そもそも相談なんてしませんがな」
的な勢いで、まっとうな答えをカードや命術で示されても、即効性のなさに、もやもやだけが残ったのだった。
ということをまざまざと思いだした。
そして自分を見つめ直す旅が始まり、自己像が明らかになり、自分以外にはなれないし、
そこに居続けても、仕方ないと思えるまでには、年単位の時間が必要だった。
最近、誰も言ってくれないこと、普段の日常では、誰も突っ込んでくれないことを、あえて何度でも、「そこをクリアできないと」と、指摘し続けてくるカードとか、時期のテーマって、親切なのかも。
むしろ優しいのではないかしら、という心境に辿りつきつつある。
だから、リーディングする側として、自分の技術を磨く、表現を学ぶということは、当然として、そこに指しだされたものを信じる。
本当に質問者に必要なテーマを、カードやホロスコープがあらわしているのだから、臆せず自分の出来る範囲で言葉にするしかないのだ。
そして繰り返されるテーマや、パターンや、厳しく感じる意味にこそ、あなたや私にも、生きるために切実なものが立ち現れてくるのだと思っています。
自分が本当は一番知っているはずの、自分の答えに、自分で自分を導いていける生き方、歩き方がいいんじゃないかな、と私は思っています。